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- 物件購入の流れについて
物件購入の流れについて
今回は住宅購入のプロセスおよび手順について、以下の内容を説明いたします。
・住宅購入の流れとは?
・住宅購入にかかる期間
・住宅購入時の留意点
・住宅をお得に購入する方法
住宅購入の流れを理解したい方や、できるだけコストを抑えてマイホームを手に入れたい方は、ぜひご覧ください。
家を購入する流れは?
家を購入する際には、さまざまな準備や手続きが求められます。
購入を円滑に進めるためには、これらの準備や手続きを大まかに理解しておくことが重要です。
家を購入するための手順は、主に以下の12のステップに分類されます。
1. 物件の種類を選ぶ
2. 資金計画を策定する
3. 物件を探し始める
4. 不動産業者に連絡を取る
5. 物件の見学を行う
6. 物件を選定する
7. 住宅ローンの事前審査を受ける
8. 売買契約を結ぶ
9. 住宅ローンの申請および本契約の手続きを行う
10. 引っ越し前の内見会に参加する
11. 残金の決済を行う
12. 物件の引き渡しと入居準備
・物件種別を選択する
家を購入する際には、まず物件の種別を決めることから始めましょう。以下のような種別の違いによって、物件のメリット・デメリットが大きく変わってくるためです。
新築住宅か中古住宅か
戸建てかマンションか
新築を選ぶと、自分がその家の最初の住人になれるメリットがあります。注文住宅を選べば間取りも自由に決められるため、「自分たちだけの家」というこだわりを持ちたい方におすすめです。一方、中古住宅はリフォームが必要になる場合もありますが、新築に比べて価格を抑えることが可能です。
戸建て住宅は、独立した土地に家を建てられることで隣家とのあいだにスペースができ、プライバシーが確保できる点がメリットです。一方マンションは、立地条件が良く駅近の物件を探しているような共働きの夫婦にとっては、立地面でメリットがあります。
・資金計画をたてる
家の購入を検討する際、まずは希望する物件の種類をある程度決定した後、資金計画の策定に取り掛かることが重要です。
住宅ローンの借入額によって毎月の返済額が大きく変動するため、安定した生活を維持するための重要なステップとなります。
資金計画を立てる際には、以下の二つのステップを踏んで計算を行いましょう。
1. 自己資金と実際に必要な費用を算出する
2. 住宅ローンの返済計画を作成する
家を購入する際には、まず住宅ローン以外にどれだけの自己資金を用意できるかを考慮する必要があります。
自身の貯蓄や親からの支援など、具体的な金額を明確にすることが重要です。
また、購入予定の物件の価格帯についても大まかに考えておくと良いでしょう。新築の場合は購入価格の5~10%、中古物件の場合は8~13%程度の諸費用を含めて計算しておくことが求められます。
以下の計算式を用いることで、必要な住宅ローンの借入額が算出されます。
住宅ローンの借入額=物件の購入金額+諸費用−自己資金
例えば、4,000万円の新築物件(諸費用は10%と仮定)を購入したい場合、自己資金として500万円を用意できるとすると、「4,000万円+400万円−500万円=3,900万円」が借入すべき金額となります。また、銀行のシミュレーションを活用することで、毎月の大まかな返済額を算出することが可能です。返済可能な金額であれば、物件探しを進めることができるでしょう。
・家を探す
不動産情報サイトを利用して、希望する家の種類や予算に合った物件を探していきましょう。このプロセスは、希望する居住地域にどのような物件が存在し、相場がどの程度であるかを把握するために重要です。
物件を見ていく中で、新たな希望条件が浮かび上がったり、妥協可能な点が明確になったり、より現実的な購入価格を考慮することができるようになり、購入条件が具体的に定まっていくでしょう。
不動産情報サイトでは、「住みたい地域」や「購入価格」などの絞り込み検索機能を活用することで、希望に沿った物件を効率的に探すことが可能です。
・不動産会社に問い合わせ
物件に興味を持った際は、不動産会社に連絡を取り、内見の希望を伝えましょう。
不動産会社に事前に連絡をしておくことで、類似の物件を一緒に見学できる可能性があり、物件探しをより効率的に進めることができます。
・物件の見学
物件を実際に見学し、間取りを自分の目で確認することが重要です。
情報誌やフリーペーパーに掲載されている内容は魅力的に見えることがありますが、実際に見ることで評価が変わることもあります。
逆に、データ上ではあまり魅力を感じなかった物件が、実際に見てみると自分にぴったりだったということもあります。
外観や内装に注目しがちですが、実際の生活を想像し、以下の点をしっかりと確認することが大切です。
- コンセントの位置や数
- 窓の位置や高さ
- 建具に不具合がないか
- 鉄部分に損傷がないか
- 浴室やトイレにカビが生えそうか など
また、物件周辺の環境も重要な要素です。
近くにスーパーやコンビニがあるか、駅から徒歩またはバスでどれくらいの時間がかかるか、周囲に騒音を発生させる工場や商業施設がないかなど、実生活に影響を与える要素をすべて確認しておくことが必要です。
・物件の絞り込み
内見を行うと、複数の気になる物件が残ることがあります。
その中から一つを選び、不動産会社に早急に申し込みを行うことが重要です。
不動産契約は先着順であり、他の購入希望者よりも早く意思を示した者が権利を得るためです。
物件を絞り込むことが難しい場合は、自分の感覚を大切にすることも重要です。
立地や内装が優れていても、周辺環境や日当たりが悪ければ、後々後悔することもあります。
一方で、スーパーや駅が遠く、家事動線が不便でも、外装や内装の魅力が勝って満足することもあるでしょう。
理想の家を見つけるには、感覚的な要素も考慮する必要がありますので、データと感覚の両方を基に選択を進めることが一つの方法です。
・住宅ローンの事前審査
購入の意思が固まった場合、申し込みと同時に住宅ローンの事前審査を受けるのが一般的な手続きです。
本審査に進むためには、事前審査を通過することが必要です。
事前審査の結果は数日以内に金融機関から通知され、問題がなければ不動産売買契約に進むことが可能です。
このステップを踏むことで、実際にどの程度の住宅ローンを借りられるかを把握することができます。
年収に見合わない過剰な借入希望を持つと、事前審査の結果に影響を及ぼすことがありますので、現実的な金額での希望を持つことが重要です。
以下の記事では、住宅ローンの借入額に関する詳細な解説を掲載しています。
・売買契約の締結
事前審査を通過した後は、契約手続きに進むことになります。
まず、売り主に対して購入の意思を示すために「購入申込書」を提出します。
この申込書には、買い主の情報や希望条件が記載されます。売り主が内容を確認し、問題があれば交渉が行われます。
売り主と買い主が売買内容に合意すれば、実際の売買契約へと進むことになります。
契約の直前には、「重要事項説明書」と「不動産売買契約書」の内容を確認し、記名・押印を行います。
不動産売買契約書では、売り主と買い主の債権債務の関係が定められ、不動産の引き渡しに関する権利と義務が双方に課せられます。
2022年の法律改正により、不動産売買における電子契約が解禁され、業界全体での電子化が進展しています。
売買契約の際には、仲介手数料や手付金などの費用を支払う必要があるため、不動産会社からの指示に従って事前に準備を整えておくことが重要です。
・住宅ローンの申し込み&本契約
売買契約を締結した後は、住宅ローンの正式な申し込みに進むことになります。
住宅ローンを利用する際には、不動産売買契約書に「住宅ローン特約」を記載する必要がありますが、この特約には期限が設けられているため、速やかにローンの正式申し込みを行うことが求められます。
正式申し込みには以下の書類が必要となりますので、住宅購入手続きと並行して事前に準備を進めておくことが重要です。
- 本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)
- ローン申込書
- 実印
- 売買契約書
- 印鑑証明書(直近3ヵ月以内に発行されたもの)
- 住民票(家族全員が記載されたもの)
- 給与証明書・源泉徴収票
- 住民税課税決定通知書 など
正式申し込み後に本審査を通過すれば、金融機関との「金銭消費貸借契約」を締結します。
もし住宅ローンの審査に通らなかった場合は、売買契約書に記載されたローン特約に基づき、無条件で契約を解除することが可能です。
この場合、手付金や仲介手数料は全額返金されるのが一般的です。
・引っ越し前の事前内見会
新築物件においては、引き渡し前に完成した物件の事前内見会が行われることがあります。
これは、建物の状態や仕上がりが契約内容と一致しているかを確認するために、自らの目で確認することが非常に重要です。
不具合が見つかった場合は、引き渡し日までに修正を依頼することが必要です。
一方、中古物件の場合は見学時点で既に完成しているため、契約前に同様の確認を行うことが求められます。
内見会に参加する際は、3メートル以上の長さのメジャーを持参することをお勧めします。
部屋の間取りやドアの開口部の幅を測定することで、購入予定の家具のサイズを考える際に役立つイメージを持つことができます。
・残金決済
物件の引き渡しは、通常、売買契約締結から1ヵ月後に行われます。
残金の決済と鍵の引き渡しをもって、引き渡し手続きは完了します。
残金の決済とは、購入価格から手付金を差し引いた残りの金額を全額支払うことを指します。
住宅ローンを利用する場合、金融機関が不動産会社の口座に直接振り込むことも可能です(融資実行)。
残金の支払いが確認された時点で、物件の引き渡しが実施されます。
・引き渡し・入居
住宅ローンの決済が完了した後は、物件の引き渡しと入居手続きが進行します。
引き渡しの際には住まいの鍵を受け取り、司法書士が所有権の移転(新築の場合は所有権の保存)を行う登記手続きを実施します。
司法書士への報酬は住宅ローンとは別扱いで、司法書士事務所に直接支払う必要がある場合もありますので、資金が不足しないように最後まで十分に注意を払いましょう。